衛生委員会を健康経営推進委員会へ

最終更新日:2021年11月3日

衛生委員会とは

常時50人以上の従業員を使用する事業場では、労働安全衛生法により毎月1回以上、衛生委員会を設置することが義務付けられています。業種によっては一定の規模ごとに安全委員会の設置も求められるため、衛生委員会と統合して「安全衛生委員会」としている事業場もあるかと思います。衛生委員会の目的は、労働災害と危険・健康障害を防ぎ、健康の保持・増進について、労使一体となって調査審議することです。毎月の調査審議の内容としては

  1. 労働災害の有無
  2. 所定外労働時間
  3. 休職者数
  4. 職場巡視結果
  5. 健康教育

がおさえられていると大変素晴らしく、時期によって定期健康診断、ストレスチェック、感染症対策が議題に加わることが多くのケースではないでしょうか。衛生委員会は労使一体となって社員の健康の保持増進について話し合う(おそらく)毎月の唯一の貴重な時間であるため、健康経営に取り組む企業様はこの衛生委員会を「健康経営推進委員会」として健康経営の施策や効果検証を実施する場としてご活用いただくことが効果的です。そのためには、年間スケジュールと施策の数値管理の2つがポイントです。

年間スケジュール

衛生委員会でも3月などのタイミングで年間スケジュールが話し合われることが多いですが、健康経営の施策をこれまでの項目に追加しましょう。年間スケジュールに加わることで健康経営推進委員会で進むべき方向性が労使ともに明確になります。追加項目の概要としては、

  1. 所定外労働時間関連(年次有給休暇取得、勤務間インターバル制度など)
  2. 健康診断関連(特定保健指導、保健指導や医療機関受診状況、がん検診、被扶養者など)
  3. ストレスチェック関連(集団分析、職場環境改善、メンタルヘルス研修など)
  4. 食生活改善(野菜摂取習慣、腹8分目運動、自動販売機の入れ替え、栄養指導など)
  5. 運動習慣(スポーツイベント、歩行や階段使用の推奨や表彰など)
  6. 喫煙率低下・受動喫煙対策

が挙げられます。まずは所定外労働時間、定期健康診断、ストレスチェックの骨格となる3つを掘り下げましょう。感染症対策も新型コロナウイルスやインフルエンザの予防接種だけでなく、費用補助や特別休暇の観点、麻しん・風しんや海外渡航者への教育など取り組みを広げましょう。次に、食事・運動・禁煙といった新しい取り組みに広げていきましょう。これらのイベントや社内発信を積極的に実施することはコミュニケーションの促進にもつながります。健康教育にも女性や高齢者員の健康などヘルスリテラシーの向上につながる項目を年間で満遍なく網羅しましょう。日頃の予防が大切ということから血圧計や体重計の設置と計測の推奨も良い取り組みです。

施策の数値管理

年間スケジュールに健康経営の項目を組み込むことで、年間を通して施策を漏れなく実施することが可能になりますが、これだけではまだ十分とは言えません。アメリカの統計学者でPDCAの提唱者であるウィリアム・エドワーズ・デミングの言葉に「測定できないものは管理できない」というものがあります。ぜひ施策の数値管理を行いましょう。具体的には、

  1. 所定外平均労働時間、時間外が45・80時間超の社員数、年次有給休暇取得率、離職率
  2. 定期健康診断受診率、精密検査受診率、保健指導継続率
  3. ストレスチェック受験率、高ストレス者率、集団分析結果、仕事満足度
  4. 適正体重率、十分な睡眠・運動習慣者率、喫煙率、(血圧・血糖など)ハイリスク者率
  5. プレゼンティーイズム、アブセンティーズム、ワークエンゲイジメント
  6. 各施策の参加率・満足度

などが挙げられます。上記の目標設定とあわせて数値管理することで、方向性だけでなく目指すべきゴールが労使ともに明確になります。上手く機能している施策や課題ポイントが全員で共有できますので、さらなる改善に向けた社員方々の生の意見を今後の施策の運用にしっかり反映できます。

衛生委員会を健康経営推進委員会として効果的に運用するために、年間スケジュールに健康経営の施策を組み込み、各施策の数値管理をしていきましょう!

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